ピンボールのコイルが入りっぱなし:被害を止めて原因を突き止める
電源を入れると、プレイフィールドの下で何かがうなり始め、そのまま鳴り続けます。ポップバンパーが作動したまま戻りません。1分もしないうちに、ワニスが焼けるような匂いが漂ってきます。
コイルの固着は、1970年代・1980年代の筐体に起こる数少ない「放置した秒数だけ悪化する」故障のひとつです。これらのコイルは、一度に100分の1秒だけ通電するよう作られています。入りっぱなしになれば、コイルは自らの巻線を煮立たせ、それを供給しているトランスも決して無事では済みません。
要点だけ先に:まず電源を切り、考えるのはそのあとです。電源を入れた瞬間に、ゲームが起動するより前にコイルが固着するなら、ほぼ間違いなくドライバトランジスタの短絡です。ゲーム中に固着するなら、プレイフィールドのスイッチ固着かCPUを疑ってください。それがフリッパーなら、ドライバ基板を見るのはやめましょう。この年代の筐体では、フリッパーはドライバ基板で駆動されていません。
目次
- まず電源を切り、正しいヒューズを抜く
- コイルが固着する理由
- 最初の質問:それはフリッパーか
- 「いつ」固着するかでほぼ絞り込める
- ドライバトランジスタを測る
- 基板ではなくスイッチが原因のとき
- お使いのシステム別チェックポイント
- 基板交換が妥当になるとき
- よくある質問
- 参考資料
まず電源を切り、正しいヒューズを抜く
これは調べ物をしながら付き合える故障ではありません。スイッチで筐体の電源を落としてください。戻ってきたときに欲しい状態は、ゲームは動くがそのコイルには電流が届かない状態です。つまりソレノイド電源のヒューズを抜きます。マニュアルに名称があります。Williams System 3〜7ではF2で、F3がランプマトリクスを供給しています。ゲームは起動し、ディスプレイは点灯し、スイッチも読み取られますが、何も作動しません。
どのヒューズを抜くかには注意してください。ここではプレイフィールドのランプはCPUによってストローブ駆動されており、点灯しっぱなしではありません。そのためCPUがストローブを止めると、ヒューズが残っているランプはフル電圧がかかったままになり、数秒で焼き切れます。またコイルに明らかな焦げがある場合は、筐体を切ったままにして、冷えてから戻ってください。
コイルが固着する理由
コイルには端子が2つあります。一方は、筐体の電源が入っている間ずっとソレノイド電源につながっています。もう一方はドライバ基板へ行き、ゲームがそのコイルを作動させたいときに、トランジスタがそれをグランドに接続します。コイルは常に半分通電した状態で、グランド側が開いているから何も起きないだけです。作動とは、その経路を数ミリ秒だけ閉じることです。
つまりコイルの固着は、何かがその経路を閉じたままにしているということです。候補は3つあります。
- ドライバトランジスタが短絡故障している。コレクタとエミッタがつながり、事実上ただの電線です。CPUが何を指示しても変わりません。
- CPUが本当にコイルをオンにしている。監視しているスイッチが閉じたままに見えるか、基板がサイクルの途中でハングアップしたためです。
- プリドライバが故障している。CPU出力とパワートランジスタの間にある、小さいほうのトランジスタです。
どの基板が何を担当しているかの全体像は、ピンボール機の電子回路ガイドをご覧ください。
最初の質問:それはフリッパーか
何よりも先にこれに答えてください。そもそも回路に入っていないトランジスタの測定で一晩を無駄にする人が後を絶たないからです。この年代のフリッパーコイルは、ドライバ基板でスイッチングされていません。キャビネットのボタンがノーマルオープンのスイッチを閉じ、それでコイルへの経路がつながります。初期のBallyとSternは、ソレノイド/レギュレータ基板にフリッパーイネーブルリレーを追加し、Q15回路で駆動しますが、切り替えているのは依然としてボタンです。
フリッパーコイルは2つの巻線が直列になっています。数オームのパワー巻線は43Vで約13Aを流し、約265オームのホールド巻線は約160mAです。EOSスイッチ(end of stroke=ストローク終端)はノーマルクローズで、閉じている間はホールド巻線を短絡し、電流はすべてパワー巻線を流れます。フリッパーがストロークの終端に達するとEOSが開き、ホールド巻線が回路に入り、抵抗が上がって電流は安全なわずかな値まで落ちます。
したがってEOS接点が溶着したり、フリッパーが物理的に終端まで届かなかったりすると、パワー巻線がフル電流のまま回路に残り、コイルが焼けます。キャビネットのボタンが戻らない場合も同じです。EOSのギャップと接点、ボタンのスイッチ、そして機構が渋っていないかを確認してください。ドライバ基板ではありません。
「いつ」固着するかでほぼ絞り込める
ヒューズを戻し、手をスイッチの近くに置いて、いつ起きるかを観察します。この一点の観察だけで問題は半分に絞れます。
| 見えている症状 | 最も可能性の高い原因 |
|---|---|
| 電源を入れた瞬間、ゲーム起動前にコイルが励磁する | ドライバトランジスタの短絡。CPUには何かを指示する時間がない |
| ゲームの途中でコイルが固着する | プレイフィールドのスイッチ固着、またはサイクル途中でハングしたCPU |
| コイルが繰り返し作動し、いつまでもリセットされない | 完了を知らせるはずのスイッチが開いたまま固着している |
| 複数のコイルが同時におかしい | 共通回路:プリドライバ段、電源ライン、またはグランド |
| フリッパーだけ | EOSスイッチ、キャビネットのボタンスイッチ、または渋い機構 |
複数のコイルが同時に不調なら、何かを交換する前にグランドの問題として扱う価値があります。Gottliebでは特にそうです。理由はSystem 80グランドモッドのガイドで説明しています。
ドライバトランジスタを測る
筐体の電源を切り、プラグを抜いた状態であれば、ダイオードレンジのあるテスターなら何でも構いません。これらのドライバの多くはTO-220パッケージのダーリントンで、金属タブのついた平たい黒い長方形です。タブを向こう側に、脚を下にして持つと、左脚がベース、中央がコレクタ、右がエミッタで、タブはコレクタにつながっています。
正常なNPNダーリントンは、ダイオードレンジで次のように読めます。
- 赤プローブをベース、黒をコレクタ、次にエミッタへ:いずれも約0.3〜0.9V。
- 黒プローブをベース、赤をコレクタ、次にエミッタへ:どちらも開放。
- コレクタとエミッタ間は、どちら向きでも開放。
コレクタ・エミッタ間が完全に短絡していれば、それが固着の原因です。
誰もが一度は引っかかる落とし穴:回路に載せたままの測定は当てになりません。周囲の抵抗やダイオードが電流に別の経路を与えますし、ダーリントンはパッケージ内部に抵抗とダイオードを含むため、正常な部品でもおかしく見える値が出ます。Ballyのドライバ基板でトランジスタが全数「不良」と読めた、という有名なフォーラムのスレッドがあります。実際には不良ではありませんでした。悪い測定値を信じる前に、脚を1本外して測り直してください。
そのうえで、作業を終える前にコイル自体も確認しましょう。入りっぱなしだったコイルは過熱しており、過熱したコイルは巻線間にレアショートを生じて抵抗値が下がり、新しく取り付けたトランジスタを次々に壊すことがあります。マニュアルの値か、プレイフィールド反対側の同型コイルと比較して測定し、ヒューズはマニュアル指定の定格に戻してください。大きいものは使わないことです。
基板ではなくスイッチが原因のとき
ゲームが始まるまでは問題なく、始まった途端に固着するなら、基板は言われたとおりのことをしているだけかもしれません。ゲームはスイッチに反応してコイルを作動させ、別のスイッチが完了を知らせたところで止めます。ドロップターゲットバンクのリセットコイルが戻らない場合、原因はバンクスイッチが閉じたまま固着していて、ターゲットがまだ倒れているとゲームに伝えていることが多いのです。
マニュアルでそのコイルに対応するスイッチを探し、基板にスイッチテストがあれば実行して、開いているべきときに開と読めることを確認してください。曲がったリーフスイッチ、40年分のほこりで閉じてしまった接点、前オーナーが詰めすぎた調整——どれも基板の故障よりありふれていて、どれも無料で直せます。
ここで診断基板が本領を発揮します。System 80にLisy80を入れれば、スイッチの状態をWebインターフェースで確認し、ソレノイドを1つずつ作動させられます。これは独立した開発者による無償・非商用のDIYプロジェクトLISYプロジェクトを基にしたもので、当店はすぐ使える状態でお届けしサポートしていますが、開発したのは当店ではありません。またコイルが固着ではなく無反応な場合は、そのコイル自身のインラインヒューズを確認し、テスターでピンボールのコイルを測る方法のガイドをご覧ください。
お使いのシステム別チェックポイント
Gottlieb System 80、80A、80B
ソレノイドとプレイフィールドのランプは1枚の基板を共有します。A3ドライバ基板で、ランプドライバと並んでQS1からQS9までの9系統のソレノイドドライバ回路を搭載しています。オリジナル設計はプリドライバにMPS-U45を使っており、これは今では本当に入手が難しく、パワートランジスタの2N3055には厄介な癖があります。壊れるときに派手に壊れることがあり、基板に穴が開くというのは誇張ではなく実際に報告されている結果です。
ですから部品だけでなく基板そのものを点検してください。焦げたランドに新品のトランジスタをはんだ付けしても長持ちしません。なお、System 80の大電流コイルの一部は、基板上ではなくプレイフィールド下のトランジスタで駆動されている点にも注意が必要です。Black HoleやHaunted Houseのような機種には、それぞれ固有の注意点があります。
BallyとStern、1977年〜1985年
見るべき基板は、A3位置のソレノイドドライバ/電圧レギュレータです。初期機はAS-2518-16、後期はAS-2518-22。駆動はTIP120またはTIP102のパワートランジスタで、プリドライバ段はCA3081トランジスタアレイ、つまり複数のトランジスタを内蔵した1個のICです。
この点が重要です。パワートランジスタを回路から外して測っても正常で、それでもコイルが固着するなら、次に疑うのはCA3081です。アレイなので、1個のIC故障が複数のソレノイドに影響することがあります。同じ基板には5VレギュレータのLM323Kも載っており、経年劣化による故障でよく知られています。CPUの挙動もおかしいなら、Bally MPUのLED点滅の読み方のガイドで1分で判別できます。
Williams System 3〜7
各ソレノイド回路は2段構成です。2N4401のプリドライバがTIP120のパワートランジスタを駆動します。多くのレストア業者は、より大きな電流を扱えるTIP102に置き換えています。まずパワートランジスタを測り、次にその後段にある2N4401を測ってください。プリドライバが短絡していれば、同じようにパワートランジスタを完全にオンにしてしまいます。ソレノイドのヒューズはF2で、CPUのLEDの様子もおかしいなら、System 7診断コードのガイドが読み解いてくれます。
基板交換が妥当になるとき
固着したコイルの多くは、2ユーロのトランジスタと20分の作業で片付きます。あなたの故障がそれなら、ぜひご自分で、楽しんでやってください。必要のないものを売るより、そう申し上げるほうがよいと考えています。計算が変わるのは、基板が単に故障したのではなく損傷している場合です。焦げたパターン、剥がれたランド、積層板を貫いた穴、あるいは基板が寿命を迎えてトランジスタが次々に壊れる場合です。基板を修理するか交換するかの率直な比較で、その損得勘定を整理しています。
交換を選ぶなら、System 80のドライバ基板はGodri80、BallyとSternの電源・ドライバ位置はBallyDri、Williams System 3〜7のMPUとドライバはWillFA7が対応します。Gottliebのポップバンパー回路は専用の小基板を持ち、GoPOP80で単体交換できます。当店は出荷前に基板をテストし、出荷後もサポートします。いずれにせよオリジナルは取っておいてください。損傷したドライバ基板も、筐体がまた動き出せば、いい冬の課題になります。
よくある質問
ピンボールのコイルが入りっぱなしになるのはなぜですか?
何かがコイルのグランド経路を閉じたままにしています。最も多いのはドライバトランジスタの短絡故障で、CPUの意図とは無関係にコイルをグランドに落としてしまいます。ほかには、プレイフィールドのスイッチ固着、プリドライバの故障、フリッパーであればEOSスイッチやキャビネットボタンの溶着です。
コイルが固着するとピンボール機は傷みますか?
はい、しかも急速に傷みます。これらのコイルは一度あたりミリ秒単位の通電を前提としており、入りっぱなしになると数分で過熱し、コイルを破壊し、ヒューズを飛ばし、トランスに負担をかけます。気づいたらすぐ電源を切り、測定の前にソレノイドのヒューズを抜いてください。
トランジスタの短絡とスイッチの固着はどう見分けますか?
コイルが励磁するタイミングを見てください。電源投入の瞬間、ゲームが起動する前に固着するなら、CPUが指示しているはずはなく、ドライバトランジスタの短絡が有力です。ゲームが始まってから起きるなら、固着したスイッチを探しましょう。
ドライバトランジスタは基板から外さずに測定できますか?
できますが、悪い測定値は信用しないでください。周囲の部品がテスターに別経路を与えますし、ダーリントンは内部に抵抗とダイオードを含むため、正常な部品でも奇妙な値が出ます。何かを交換する前に、脚を1本外して測り直してください。
フリッパーが励磁したままになって熱くなるのはなぜですか?
この年代のフリッパーコイルは、ドライバ基板ではなくキャビネットのボタンとEOSスイッチで切り替えられています。EOS接点が溶着したり、フリッパーがストロークの終端まで届かなかったりすると、パワー巻線が回路に残ったままになり、コイルが焼けます。
ドライバトランジスタが何度も壊れます。何を見落としていますか?
たいていはコイルです。過熱したコイルは巻線間にレアショートを生じ、抵抗値が下がって、新しいトランジスタを次々に壊すだけの電流が流れます。マニュアルの値かプレイフィールド上の同型コイルと比較して測定し、ヒューズの定格も確認してください。
参考資料
- Home Pinball Repair: Pinball solenoid stays locked on
- Home Pinball Repair: Understanding pinball transistors and diodes
- Home Pinball Repair: How serial flippers work in early SS and EM machines
- pinrepair.com: Williams System 3-7 repair guide
- PinWiki: Gottlieb System 80
- PinWiki: Williams System 3-7
- Gottlieb System 80ドライバ基板の回路記号
- Action Pinball: Bally AS-2518-16 ソレノイドドライバ
- Pinside: Gottlieb System 80 coil lock mystery
- Pinside: Bally driver board, all transistors read bad
コイルが固着していて、テスターの読みをどう解釈すればよいか分からない。そんなときは、機種名とコイル、測定値をお送りください。当店の技術サポートは購入前も購入後も無料です。答えが基板ではなく、トランジスタ1個とスイッチの調整だった場合も同じです。
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